今、本当に必要なアートプロジェクトとはなにか?
最近「アートプロジェクト」という言葉をよく耳にしませんか? ここ数年、日本全国で大小様々なアートプロジェクトが開催され、そのどれかに実際に参加したことがある人も少なくないかもしれません。ではそもそもアートプロジェクトってなんのためにあるのでしょうか? それは私たちの生活に本当に必要なものなのでしょうか? アートをプロジェクトするって一体?
本講座はアートプロジェクトがもつ可能性や意義を今一度問い直し、そこから自分達に本当に必要なアートプロジェクトをつくりあげるための知識や技術を獲得することを目的とした全17回の連続講座です。アートの歴史や現状を学ぶレクチャーから、第一線で活躍するアーティストやプロデューサーの話、また文章を書くためのノウハウから現場での実体験まで、受講者が中心となり様々なディスカッションや実践を重ねながら、ゼミ形式でのレクチャーを進めていきます。私たちが本当に必要とするアートプロジェクトを追い求め、それを実現させる担い手としての第一歩を踏み出したいあなたのご応募をお待ちしています。
【4つのテーマ】
アートの歴史・アートの概念を学ぶ、アーティストを知る
現代のアートの潮流をジャンルにわけ、具体例をもとに学習していきます。加えて発展目覚しい東南アジアのアートシーンについても言及します。また現在進行形で活躍するアーティストやディレクターをゲストに招いて、彼らの作品や活動について直接話を聞いていきます。
アートプロジェクトを体験する
JR中央線沿線地域で実施されているアートプロジェクト「TERATOTERA」に運営スタッフとして参加します。また、アートプロジェクトを行うディレクターやキュレーターを招き、お話を伺います。
文章力やデザイン力を身につける
アートを語ること、綴ること、デザインすることを実践方式で学びます。実際に展覧会に足を運び、展示や作品の批評にチャレンジします。また、ゲスト講師に個々の文章の評価およびレクチャーをしてもらいます。
隣人と議論する
本講座はゼミ形式で行われ、毎回何らかのテーマに沿って、共に受講する参加者とディスカッションを重ねていきます。議論を重ねる中から、 最終的には各受講者が自分自身の思い描くアートプロジェクトのイメージを形成することを目指します。
【講座スケジュール】
【コーディネーター プロフィール】
小川希/Nozomu Ogawa (TERATOTERAディレクター、Art Center Ongoing 代表)
2002年から2006年に亘り、東京や横浜の各所を舞台に若手アーティストを対象とした大規模な公募展覧会『Ongoing』を、年一回のペースで企画、開催。その独自の公募・互選システムにより形成した数百名にのぼる若手アーティストネットワークを基盤に、既存の価値にとらわれない文化の新しい試みを恒常的に実践し発信する場を目指して、2008年1月に東京・吉祥寺に芸術複合施設 Art Center Ongoing を設立。現在、同施設の代表を務める。http://www.ongoing.jp
また、JR中央線高円寺から国分寺を舞台としたアートプロジェクト TERATOTERA(テラトテラ)のディレクターとしても活躍する。http://teratotera.jp
最近では2016年1月から4月までの3ヶ月、国際交流基金アジアフェローシップとして、東南アジア9カ国に点在する83カ所のアートスペースをリサーチした。
【ゲスト プロフィール】
遠藤一郎/Ichiro Endo (未来美術家)
1979年静岡県生まれ。出会った人々が車体に「夢」を寄せ書きしていく『未来へ号バス』に乗って全国を旅する車上生活者。アートイベントなどで展示やパフォーマンスをおこなう。最近のプロジェクトにはカッパに扮して出没する「カッパ師匠」をやることが多い。奇跡の野草茶を作ったり怪しい酵素ドリンクを作ったりフォトコンテストを開催したり、とにかくムーブメントが変すぎて全部笑える。空いた時間は最近始めた「富士山マグマ農場」にいて、特殊微生物発酵酵素と静電三法エレクトロンチャージャーを組み合わせた唯一無二の特殊農法で大豆を中心に栽培しまくっている。これが本物の激ヤバすぎてたぶん理解してもらえない。
小鷹拓郎/Takuro Kotaka (アーティスト)
噂や都市伝説をリサーチし、その土地独特の脈を掘り当てることとその検証力に加え、一つの小話のように落ち(さげ)をつける物語を紡ぎ、フィクションとノンフィクションの境界を綱渡りする。1984年埼玉県生まれ。2012年までリサイクルショップ「こたか商店」を経営。主な企画に地域に埋もれた性愛文化を発掘した「国立奥多摩秘宝館」、墜落した修行僧たちの村を追い求めて四国を一周する「ようこそ!墜落お遍路村へ」など。主な展覧会に、2016年「Sound Wars from The Hole -洞穴聲戰-」(C&G ARtpartment、香港)、2015年「国際交流基金主催 Shuffling Spaces」(Gallery Seescape、チェンマイ)など 。
松本哉/Hajime Matsumoto (素人の乱)
1974年東京生まれ。リサイクルショップ「素人の乱5号店」店主。高円寺北中通り商栄会副会長。96年「法政の貧乏くささを守る会」結成以来、各地でマ ヌケな反乱を開始。05年、東京・高円寺で山下陽光らと「素人の乱」をオープン。その後、「3人デモ」「俺のチャリを返せデモ」「家賃をタダにしろデモ」 「原発やめろデモ!!!!!」ほかとんでもないデモを行う。現在は高円寺でゲストハウス、飲み屋なども運営しつつ海外のオルタナティブスペースとの交流を 深め、「世界マヌケ革命」を目指す。著書に『貧乏人の逆襲~タダで生きる方法』(筑摩書房)など。
福住廉/Ren Fukuzumi (美術評論家)
1975年生まれ。著書に『今日の限界芸術』、共著に『日本美術全集第19巻:拡張する戦後美術』ほか多数。「artscape」「共同通信」で連載しているほか、「今日の限界芸術百選」(まつだい「農舞台」、2015)など展覧会の企画も手がける。現在、東京藝術大学、女子美術大学、多摩美術大学非常勤講師。
服部浩之/Hiroyuki Hattori (インディペンデント・キュレーター)
1978年愛知県生まれ。アジア各地を中心にインディペンデント・キュレーターとして活動中。現在はあいちトリエンナーレ2016にキュレーターとして従事している。2006年早稲田大学大学院修了(建築学)後、2009年から2016年まで青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]学芸員。主な企画に十和田奥入瀬芸術祭「SURVIVE ~この惑星の、時間旅行へ」(十和田市現代美術館、奥入瀬地域 |2013年)や、「Media/Art Kitchen ~Reality Distortion Field」(ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコク、青森[主催:国際交流基金ほか]|2013年~2014年)がある。
芹沢高志/Takashi Serizawa (P3 art and environment 統括ディレクター)
1951年、東京生まれ。生態学的地域計画の研究に従事したあと、1989年、P3 art and environmentを設立。以後、現代美術、環境計画を中心に、数多くのプロジェクトを展開する。とかち国際現代アート展「デメーテル」総合ディレクター(2002)。アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2003〜)。横浜トリエンナーレ2005キュレーター。別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」総合ディレクター(2009、2012、2015)。デザイン・クリエイティブセンター神戸センター長(2012〜)。さいたまトリエンナーレ2016ディレクター。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、『別府』(別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」実行委員会)など。
佐脇三乃里/Minori Sawaki(認定NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター アシスタントディレクター)
1985年神奈川県生まれ。2011年日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。「建築とアート」をテーマに創造活動を行なう施設の活動と運営に関する研究と調査を行う。2011年よりNPO法人黄金町エリアマネジメントセンターに所属。黄金町芸術学校の企画のほか、アートマネジメントとまちづくりの双方に関わるプログラムのコーディネートを行なう。これまで関わったプロジェクトに『+1人/日』(取手アートプロジェクト2008)、『個室都市 東京』(高山明演出、F/T09)、『完全避難マニュアル 東京版』(高山明演出、F/T10)など。
日本東京都武蔵野市吉祥寺本町1−33−10
TERATOTERAの活動をサポートするボランティアスタッフ「TERACCO(テラッコ)」を随時募集しています。
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