teratotera

「人と人、街と街とをアートでつなぐ」 中央線沿線地域で展開するアートプロジェクト

TERATOTERA 祭り2019 ~選択の不自由~ PERFORMANCE

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movingscape連続展 vol.1「乱立する筒」
《 movingscape 連続展 vol.1「乱立する筒」》

[ 主宰:野口竜平 出演:たくみちゃん、坂藤加菜、新皮生活、奥西千早、タカラマハヤ、しんめいp ] 会場の扉を開けると目に飛び込むのは、木枠と透明のフィルムで作られたスタジアム状の巨大な構造物。その内部では、高さ2メートルほどの段ボールの筒が数個、不規則に揺れ動いている。数人のパフォーマーがその間をぬうように動き回る。奇妙な光景だが、実は筒の中には参加を希望した観客が入っている。その他の観客は、「スタジアム」の外側から、いわば「傍観者」としてパフォーマーと筒=観客を眺める、という構図なのだ。
「movingscape 連続展」とは、芸術探検家の野口竜平が主宰するユニット名であり、企画名だ。「多視点・多中心的な世界の探究を共有すること」をテーマに、さまざまなアーティストたちと活動を展開していく。その第1回となる今回の公演では、即興身体表現のたくみちゃん、ダンサーの坂藤加菜、環世界を表現するダンスユニットの新皮生活、現代日本画家の奥西千早ら、多角的な表現を試みるパフォーマーとアーティストが参加した。公演は1日6回、各回40分程度のパフォーマンスを行った。
開演時間になると、観客10人が野口に案内されて会場奥から「スタジアム」の内部へ。用意された筒の中から好きなものを選んで全身を潜り込ませる。筒は直径90センチほど。身動きはしづらいが、小さな穴がいくつか開いており、そこからパフォーマンスを見ることができる。
案内役の野口は、観客にテーマをじっくりと説明した後に必ず全員で気合いを入れ結束感を高めた。パフォーマーたちは、各々のパフォーマンス中に、筒にノックをしてみたり、クイズを出したり、マイクを向けて質問したり。観客とその場で作品を共作するかのようにコミュニケーションをとった。終演後には毎回、筒に入ったままの観客と記念撮影。観客は身体と時間を拘束されるという不自由さと引き換えに、濃厚な鑑賞体験を得ることになった。(遠山尚江)

 

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前後(神村恵+高嶋晋一)
《 subjunctive mood lesson(仮定法のレッスン)vol.2 》

「前後」は、ダンサー・振付家の神村恵と美術家・高嶋晋一のユニットです。その作品あるいは作風を何と呼べばいいのか……。悩ましいのですが、とにかく、今回のパフォーマンスを振り返ってみましょう。
会場は小さな公園やタワーマンション前の広場。いずれにしてもパブリックなオープンスペース、いいかえれば「公共空間」です。そこに集まった観客は、作家が提示するいくつかのキーワードから一つの言葉を選びます。
「存在」「自由」「意思」「問題」「権利」「条件」「幸福」「社会」……。
どれも、今回の「TERATOTERA 祭り」のテーマ「選択の不自由」のコンセプトを形作るキーワードです。と
いうことは、この作品は「選択の不自由」とはそもそも何かを紐解く、というパフォーマンスなのでしょうか。二人は言葉を紡ぎ、あるいは形あるモノを使い、そして身体の動きで、これら実体のない概念に迫っていきます。
例えば「自由」。
「高みになりそうなものか、空気のようなものか」/「制約があるけどそれを破る」/「動かしている、動かされている」/「自由はわりと癖がある」/「がんばっている自由、どうでもいい自由」/「自由が周囲を侵食する」……
観客は、二人に導かれてそれまでの概念を拭い去り、翻弄されながらも自らの思考と対峙していきます。「自由」って何だ⁉「 社会」って何だ⁉「 存在」って何だ⁉
「権利」って何だ⁉
「選択の不自由」って…何だろう。
(都賀田一馬)

開催概要

日程: 2019年11月8日(金)、9日(土)、10日(日)
会場: 武蔵野芸能劇場 小ホール、三谷公園
参加アーティスト:movingscape連続展 vol.1「乱立する筒」、前後(神村恵+高嶋晋一)

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