2日限りの音楽の祭典を、小金井公園の敷地内にある 「江戸東京たてもの園」で開催しました。「吉野家」という江戸時代後期に建てられた古民家を舞台に、4組の出演者が演奏を繰り広げました。熱心な音楽ファンから小さな子供を連れた家族まで、幅広い観衆に楽しんでいただきました。(文:加藤裕士)
齋藤徹
コントラバス演奏を極め、音楽にとどまらず美術やダンス、演劇など多様なジャンルと深く関わり、独自の世界観を描く齋藤徹さん。SOUND FES.では古民家の室内で既成の楽曲から即興まで幅広い演奏を展開し、和風空間に全く新しいサウンドを響き渡らせました。コントラバスの奏法を解説しながら進行するパフォーマンスに、観衆は次にどんな音が鳴らされるのかと引き込まれるように聴いていました。(文:高島佐知子)
八木美知依
蝉しぐれと混ざり合いながら一音一音丁寧に鳴らされる箏(こと)。そんな導入部から始まったステージは、即興や自作曲を織り交ぜながら緩やかに進行しました。八木美知依さんは、邦楽のみならず実験的な音楽やポップスまで幅広い活動をみせる箏奏者です。そんな彼女の演奏に、聴衆は静かに耳を澄ましていました。演奏がスタートしたのは日没前でしたが、徐々に会場全体が薄闇につつまれ、神秘的な音空間を作りだしていました。(文:加藤裕士)
Torus Vil.
「表現(Hyogen)」の佐藤公哉さんを中心とした音楽プロジェクト「Torus Vil.」。世界各地の伝統音楽やダンスなど、他の領域とも繋がりを持ちながら、現代に必要とされる「場」作りを目指しています。そんな彼らの華麗なるパフォーマンスが古民家で繰り広げられました。室内での演奏に加えて、屋外に飛び出してダンスを展開。その様子はさながら夏の夕闇に舞う一羽の深紅の鳥のようでした。優美で神秘的なサウンドと相まって、非常に質の高い内容でした。(文:佐久間考彰)
東京中低域より7名のバリトンサックス
国内外のバリトンサックス・シーンをリードするバンド「東京中低域」による、一夜だけの特別編成でのステージ。バリトンサックスだけで作りあげるその音楽は、力強さで押し切るだけではなく、緻密に計算した楽曲によって音の良さをさらに引き立てていました。パフォーミングエリアは主に室内でしたが、演奏中にメンバーが庭におりてくる場面も多く、会場全体を大いに盛り上げていました。最後の曲では全員の音が渾然一体となり、感動的なクライマックスを迎えました。(文:加藤裕士)
日本東京都小金井市桜町3−7−1
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