10月22日から11月4日まで、老舗映画館「吉祥寺バウスシアター」で「TERATOTERA祭りMOVIE」がレイトショーで上映された。17組の現代美術作家の映像作品をオムニバス形式でA・B・Cプログラムに分け、各日1プログラム上映するという試みだ。初日はトークショー付きの特別プログラムが上映された。トークショーの出演者は泉太郎、大木裕之、Chim↑Pomの3組。TERATOTERAチーフディレクター小川希が司会を務め、最初に10分ほどトークをしてから、出演3組による作品を上映、その後再びトークを続けた。
トークは、「TERATOTERA 祭り」全体のテーマに沿って各作家の「3.11」の際の状況から始まり、それ以後の創作や生活がどう変化したか(またはしなかったか)という話題に展開していった。
各作家の「3.11」体験は、実はそのまま各作品に反映されている。泉太郎「ヒルの営み・バイキング」や大木裕之「メイドオンザバルコニー」バウスmixは震災をストレートに扱ったものではないが、震災を経験したことによって鑑賞者には、作品を見る角度の一つとして「震災」というフィルターが存在してしまうということに自覚的な内容であった。一方、Chim↑Pom「LEVEL7 feat.明日の神話」は震災を正面からテーマにしたものだ。震災直後、渋谷で発表した絵画作品を通して投げかけた具体的なメッセージを改めて1本の映像作品として提示した。あえてメッセージを伝える、という強い意志が感じられる作品であった。
プログラムA[約54分]
東野哲史 《3BG8》2011
山本篤 《To be a hero》2011
小沢裕子 《重ねる》2011
鈴木光 《Mr. S》2011
Chim↑Pom 《LEVEL7 feat. 明日の神話》2011
鷺山啓輔 《続・荒波にみる / Facing the stormy seas》2011
プログラムB[約55分]
柴田祐輔+山本篤 《繋がらない》2010
COBRA、千葉正也+その他
《COBRAは狩人を演じた-Playing of the hunter-》2011
大木裕之 《「メイド オン ザ バルコニー」バウスmix》2006-2011
小鷹拓郎 《Looking for a utopia》2011
泉太郎 《ヒルの営み・バイキング》2011
プログラムC[約60分]
山本高之 《どうぶつたちの一週間》2010
高田冬彦 《Born This Way 1.0》2011
地主麻衣子 《窓を吸え!》2011
松本力 《My Name Is Nobody》2011
小泉明郎 《Art of Awakening》2005
田中功起 《Beer & Hose》2008-2011
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