teratotera

「人と人、街と街とをアートでつなぐ」 中央線沿線地域で展開するアートプロジェクト

TERATOTERA祭り2016
Involve −価値観の異なる他者と生きる術−
TALK

「TERATOTERA 祭り」の締めくくりはトークイベントでした。参加アーティスト6 人と小川希ディレクターが、文化人類学者の上田紀行さんをゲストに招いて語り合いました。
上田さんは、自己と他者の関係性や内面的な自己成長を取り上げた『生きる意味』の著者です。本企画のテーマはまさに「価値観の異なる他者と生きる術」。祭りを終えたばかりの高揚感の中で、上田さんとアーティストたちが「他者との関係性」に焦点をあてて語り合いました。(池田佳穂)

/////以下、トーク内容の抜粋////////////////////

利部志穂
● 私はきっかけを作るだけ。参加者が個人で決断して形作って、動かしていく。空間が明確にいきなり変わるのではなく、静かに空間が変化していくのを意識した。私にとってのinvolve は地殻変動のように、じわりじわりとくるもの。
● 作風は限りなく優しくありたいと思う、ただ狂気と対峙するものではない。

河口遥
● お客さんと作品の関係は距離があってお客さんが鑑賞者となっている、今回はお客さんが見られる「対象」にしてみたかった。
● 作者でもないし、お客さんでもない「TERAKKO」は私にとっての宇宙人でした。

田中義樹
● 小川さんからお題をもらったとき、ドナルド・トランプも難民も世の中のみんながアート好きになればいいんじゃないか?と思った。
● 最後にみんなで「アート大好き」って言ってみませんか?

橋本聡
● 美術って素通りされるものが多い気がする。指示を出すことで強制的にでもinvolveしてみたかった。
● 参加者がその空間からはじかれてしまう、それもまたinvolve だと思う。ただ友好的に迎え入れるだけがinvolveではない。

上田紀行
● 狂気的な要素を含みつつ、それを言及しない。境界線スレスレなのが美術館にはないよね。だから「TERATOTERA祭り」って面白い。
● 多種多様な価値観が混在するノイジーな空間、脳内細胞がどんどん活性化していくのが実感できた。「わたし」は一枚岩ではない、いろんな価値観が混在する対象であると思った。

小川希
● 社会情勢や心理的な危機感といったネガティブなイメージに対して、アートで何ができるのか知りたいと思い今回企画した。シリアスなものが並ぶかと思ったら、コンセプトはそれぞれ押さえつつ真逆なもので返された気持ち。やっぱりアートって面白い。
● アートって多様性って形容されるけど、アートの価値観や領域だけで語られたら多様性ではないと思っていた。だからそれぞれの手法で他領域にアプローチできる力をもつアーティストたちを集めた。

池田佳穂(司会/TERATOTERA 事務局スタッフ)
● 運営側の私もいつの間にか作品にinvolve されていた。各会場を回ると、異彩を放つ展示の数々が、観客に日常を考え直すきっかけを与えている印象だった。

開催概要

日時:2016年10月10日(月・祝)19:30-21:00
会場:三鷹中央ビル2階
出演:上田紀行、参加アーティスト4組

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