teratotera

「人と人、街と街とをアートでつなぐ」 中央線沿線地域で展開するアートプロジェクト

TERATOTERA祭り2012@西荻窪
西荻映像祭-TEMPO de ART-

展示

JR中央線沿線の中でも、のんびりとした独特な“テンポ”が息づく西荻窪。この街で10月3日から14日まで「西荻映像祭-TEMPO de ART-」が開かれ、古書店や雑貨店、飲食店など12の店舗を若手アーティスト8組の映像作品が彩りました。その時・その場所でしかありえない、映像― 空間を体感した12日間でした。

「西荻映像祭-TEMPO de ART-」は、独特のカラーを持つ地域に現代アートがどのように関われるかを探るとともに、アート作品の鑑賞者が会場となった店舗を巡ることで、西荻窪ならではの魅力を発見する場を作りたい。そんな思いから企画されました。
 
会期中、街にはさまざまな映像が出現しました。ワイン居酒屋の窓には、西荻窪に「降臨」したヒンドゥー教の神ガネーシャの姿が映し出され、雑貨店のウインドーでは、配線むき出しのブラウン管から「ちくびコレクター」という映像が深夜まで流れ続けました。閉店後の精肉店のシャッターに流れる映像は帰宅途中の通行人の足を止め、街にはいつもとは違う“テンポ”が吹き込まれました。
 
参加アーティストの一人が、こんな感想を口にしました。「作品の中に作品を置くような感じがした」。全ての店舗が個人経営だったため、店主の作品への関わり方もそれぞれ。撮影に協力し映像にまで登場する人がいる一方で、想像したものと違ったという人も。店舗にアート作品を展示するのは、店主が何年間も守り抜いてきた場所や時間に足を踏み入れること。そのためには、まず人と人との関係を築くことが必要でした。今回のTERATOTERA 祭りのテーマにも掲げられていた“公共”は、単なる群衆ではなく、人間としての関係性を持った個人の集まりであるということを改めて実感しました。
 
西荻映像祭の来場者数は2,000人を超えました。この街に暮らす人や訪れた人たちに、何かひっかかりのあるものとしてアートを発信できたのだろうか、という自問は今も抱き続けています。アートが社会や経済からかけ離れてしまっている現実を見せつけられた気もします。アーティストが社会と関わりながら自己発信できる場、そして個性のぶつかり合いによって様々な人が日常の視点を考え直す場を、継続してつくっていけたらと思います。(高村瑞世)

開催概要

日時:2012年10月3日(水)〜10月14日(日)※ 休日:月曜、各店舗の定休日
10月6日(土)18:00〜19:30 アーティストトーク
開催店舗:UNTIDY、nombre、omnivague、ZEN PUSSY、STORE、なずな屋、ハンサム食堂2号店、常盤屋牛肉店、ワインとつまみ イトキチ、よね田、FALL、らあめん まる家
アーティスト:池田拓馬、泉太郎、奥田栄希、河地貢士、最後の手段、佐久間洸、林千歩、東野哲史

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