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「人と人、街と街とをアートでつなぐ」 中央線沿線地域で展開するアートプロジェクト

途中下車の旅@三鷹 私を委ねる場所 

2013度企画第1弾としてのトークイベントは、「ゆだねる、繫がりをもつ」という意味をもつ“commit ”という今年のメインコンセプトをキーワードに、地域や共同体という関係性を軸に精力的に活動している方々をパネリストにお招きしました。美術家で十和田市現代美術館の副館長でもある藤浩志さん、高円寺のリサイクルショップ「素人の乱5号店」店主の松本哉さん、そして吉祥寺のハモニカ横町で10店を経営されている手塚一郎さんです。このお三方に、繫がりを生み出す場やシステムづくりという観点から語り合っていただくことになりました。

会場は、手塚一郎さんが三鷹に新しくオープンする「ハモニカ横町ミタカ(HYM)」の店内。当日はまだオープン前の未完成状態で、真新しい木の香りがする広々としたスペースにイスが並べられ、オープンドアの開放的な空間にたくさんの観客の方々がご来場されて、トークは始まりました。
まず最初に、パネリストの皆さんに、これまでに行ってきた活動についてそれぞれお話しいただきました。中でも松本哉さんの世界共通パスポートを自分たちで勝手に作る等の奇想天外な活動には会場から何度も爆笑が。手塚さんは以前に松本さんのトークを聞く機会があって、面白い活動をしている若手として一目置いていたことが判明、お仕事上での面識や関わりがないように思われたパネリスト同士にも、意外な繫がりや共通点があることがわかりました。トークが進んでいく中で3名から繰り返し出た言葉は、「わけがわからないけれど面白い」。
活動の内容は違っても、それぞれに人の結びつきを生み出す場所やシステムを作っているお三方ですが、お話を伺っているうちに、そんな皆さんの共通点がしだいに見えてきました。ひとつは、あらかじめ設定された目的意識や意義とは別のところで起きる偶発性や可能性を大切にし、そこで発生する面白いことを汲み取る嗅覚の鋭さ。もうひとつは、いろいろな人を巻き込んで、面白い関係性や状況を生み出すきっかけを作ろうとするエネルギーの高さでした。トークの終盤にもうけられた質疑応答の時間には、活発な質問が飛び交いました。
(文:滝本亜魅子)

【藤浩志】
十和田市現代美術館副館長、美術家。1960年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了後、パプアニューギニア国立芸術学校講師、都市計画事務所勤務を経て藤浩志企画制作室を設立。「鴨川泳ぐこいのぼり」「ゴジラとハニワの結婚離婚問題」「ヤセ犬の散歩」「お米のカエル物語」「Vinyl Plastics Connection」「Kaekko」「藤島八十郎をつくる」等、各地で対話と地域実験の場を作るデモンストレーションを実践。http://geco.jp

【松本哉】
古物商。1974年東京生まれ。リサイクルショップ「素人の乱5号店」店主。高円寺北中通り商栄会副会長。96年「法政の貧乏くささを守る会」結成以来、各地でマヌケな反乱を開始。05年、東京・高円寺で山下陽光らと「素人の乱」をオープン。その後、「3人デモ」「俺のチャリを返せデモ」「家賃をタダにしろデモ」「原発やめろデモ!!!!!」ほかとんでもないデモを行う。最近は海外の大バカスポットとの交流も深める。著書に『貧乏人の逆襲~タダで生きる方法』(筑摩書房)など。

【手塚一郎】
ビデオ・インフォメーション・センター代表。1947年、栃木県生まれ。国際基督教大学卒。79年、吉祥寺にビデオ機器販売店を開店。81年にビデオ・インフォメーション・センター(VIC)を設立。98年、吉祥寺駅前のハモニカ横丁に「ハモニカキッチン」を開店。現在は同横丁内だけでも10店を展開。2013年7月にHYM(ハモニカ横丁ミタカ)をJR三鷹駅北口にオープン。

開催概要

2013年6月29日(土)18:00~20:00
会場:HYM(ハモニカ横丁ミタカ)東京都武蔵野市中町1丁目5−8
出演者:藤浩志・松本哉・手塚一郎

三鷹 HYM(ハモニカ横丁ミタカ)

日本, 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1丁目5−8 親和ビル

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